八坂神社の斜め向かいのビルの地下にあった高級クラブ 「ドミナス」（そのビルの1階には「祇園会館」という

映画館があり、その後 「よしもと祇園花月」に変わり現在に至る）でバニー・ガールのバイトをしていたので、

そこの専属のフル・バンドのバンド・マスターに口をきいてもらってドラムを１曲叩かせてもらった。 そのフル・

バンドのドラマーが「けん坊」さんだった。それから私は毎晩のように「ドミナス」に行きフル・バンドのショーを

舞台の袖で見たり、もうひとつの黒人ソウル・バンドのドラマーと仲良くなったり　（ある時そのドラマーがバス・

ドラムのフット・ペダルの皮ベルトが切れて困っていた時に私は自分のズボンのベルトを加工して進呈して助

けたことがあった）ステージの合間にバンドのメンバーが麻雀をしているのを見てたりしているうちに「けん坊」

さんの口利きで、色んなバンドの専属ドラマーになりコンボ・バンドやフル・バンドで叩き、その内ドラムを叩き

ながら歌まで歌うことになるのです。 それは、25歳から35歳くらいの約10年間続くことになるのです。私の住処

は「ざぶざぶ」に近いので時々京阪電車の「深草」駅で降りるとき今はもう「けん坊」さんの居ない「ざぶざぶ」の

前を通るたびに凄く懐かしい、そして寂しい気持ちになります。「けん坊」さんの奥さんも良く知っていたが、今は

どうなさっているのだろう。                                                                                  もどる