日曜日は休みだった。「チャド」のことを思い出す時、色んなエピソードと共に色んな人達のことが思い
浮かぶ。店のマスターは少しお茶目な伊達男。その奥さんで店のママさんは色っぽくて男好き。少し気
弱で気の良いボーイ。中国人(イヤ、韓国人だったかな)のコック。そのアシスタントの日本人。韓国人の
ホステス兼歌手(彼女は時々私達のバンドの伴奏で歌っていた)。あとは10人位のホステスたち(聖子
チャン、まことチャンなどなど)。そして色んな客たち。この店でも色んなエピソードがあった。思いつくまま
挙げてゆく。自分の口から言うのも何だが当時私は「チャド」の何人かのホステスに人気があった。実際
その内の何人かとデートをしたこともある。そんなホステスのひとりに聖子ちゃんという若い子がいた。
愛嬌はあったがハッキリ言って美人ではなかった。ある時私がステージの合間に店の前のエレベーター
の前にひとり立っていると、聖子ちゃんが突然近づいて来て私にキスをしてサッと店に戻って行った。そ
してそれからも何回かそういうことがあった。推理すると、客との会話の中で「ドラムの人にキスしてくる
わ」と言って会話の取っ掛かりにして場を盛り上げようとしたのかもしれない。さて次のエピソードの主は
まことチャン。まことチャンは背の高いスラリとしたちょっと中性的なホステスだった。彼女はある時、私と
かボーイとかコックとかを喫茶店に集めて自分の弟がやっているある事業に出資するように勧めてきた。
それは早い話"ねずみ講"のようなものだと私はすぐ気付き、その話にはのらなかったが彼女は不満そう
だった。ちなみに彼女に貸したポータブル・オセロゲームは結局私のところには戻ってこなかった。次は
「チャド」に良く来ていた、別の店のホステスの"スミちゃん"のこと。彼女は自分の客と「チャド」に良く飲み
に来ていた。彼女は目のクリっとしたサバサバとした感じの女性だった。ある時私が朝5時過ぎにステー
ジが終わってタクシーで山科日ノ岡のボロアパートに帰った時、タクシーを降りたらなんと"スミちゃん"が
女友達二人とやはりタクシーで追いかけて来たらしく私に話しかけてきた。そのまま帰すわけにもいかな
いので、私は近くのまだ営業していた行きつけの飲み屋に連れて行きしばらく四人で飲んで話をした。
それがキッカケで私と"スミちゃん"はしばらく付き合うことになった。次のエピソードは私の姉"眞理子"と
女優"梶芽衣子"の話。
私の姉"唐崎眞理子"は
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